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2006年02月08日

父は忘れる

あなたが小言をいいたくなったら、ちょっと読んでみて欲しい。



父は忘れる
リビングストン・ラーネッド

 坊や、聞いておくれ。お前は小さな手に頬をのせ、汗ばんだ額に金髪の巻き毛をくっつけて、安らかに眠っているね。お父さんは、一人でこっそりお前の部屋にやってきた。今しがたまで、お父さんは書斎で新聞を読んでいたが、急に息苦しい悔恨の念に迫られた。罪の意識に苛まれてお前のそばへやってきたのだ。

 お父さんは考えた。これまで私はお前にずいぶんつらくあたっていたのだ。お前が学校へ行く支度をしている最中に、タオルで顔をちょっと撫でただけだといって、叱った。靴を磨かないからといって、叱りつけた。また、持ち物を床の上に放り投げたといっては怒鳴りつけた。
 今朝も食事中に小言をいった。食物をこぼすとか、丸呑みにするとか、テーブルに肘をつくとか、パンにバターをつけすぎるとかいって、叱りつけた。それから、お前は遊びに出かけるし、お父さんは停車場へ行くので、一緒に家を出たが、別れるとき、お前はふりかえって手をふりながら「お父さん、いってらっしゃい!」といった。すると、お父さんは、顔をしかめて、「胸を張りなさい!」といった。

 同じようなことがまた夕方に繰り返された。私が帰ってくると、お前は地面に膝をついて、ビー玉で遊んでいた。長靴下は膝のところが穴だらけになっていた。お父さんはお前を家へ追い返し、友達の前で恥をかかせた。「靴下は高いのだ。お前が自分で金を儲けて買うんだったら、もっと大切にするはずだ!」これがお父さんの口からでた言葉だから、我ながら情けない!

 それから夜になってお父さんが書斎で新聞を読んでいるとき、お前は悲しげな目つきをして、おずおずと部屋に入ってきたね。うるさそうに私が目を上げると、お前は、入り口のところでためらった。「何の用だ」と私が怒鳴ると、お前は何も言わずに、さっと私のそばへ駆け寄ってきた。両の手を私の首に巻きつけて、私に接吻した。お前の小さな両腕には、神様がうえつけてくださった愛情がこもっていた。どんなにないがしろにされても、決して枯れることのない愛情だ。やがて、お前はばたばたと足音を立てて二階の部屋へ行ってしまった。

 ところが、坊や、そのすぐあとで、お父さんは突然何とも言えない不安に襲われ、手にしていた新聞を思わず取り落としたのだ。何という習慣に、お父さんは、取りつかれていたのだろう!叱ってばかりいる習慣・・・まだほんの子供にすぎないお前に、お父さんは何ということをしてきたのだろう!決してお前を愛していないわけではない。お父さんは、まだ年端もゆかないお前に、無理なことを期待しすぎていたのだ。お前を大人と同列に考えていたのだ。

 お前の中には、善良な、立派な、真実なものがいっぱいある。お前のやさしい心根は、ちょうど、山の向こうから広がってくるあけぼのを見るようだ。お前がこのお父さんにとびつき、お休みの接吻をしたとき、そのことが、お父さんにはっきりわかった。他のことは問題ではない。お父さんはお前に詫びたくて、こうしてひざまずいているのだ。

 お父さんとしては、これが、お前に対するせめてもの償いだ。昼間こういうことをはなしても、お前にはわかるまい。だが、明日からは、きっと、よいお父さんになってみせる。お前と仲良しになって、いっしょに喜んだり悲しんだりしよう。小言を言いたくなったら舌を噛もう。そして、お前がまだ子供だということを常に忘れないようにしよう。

 お父さんはお前を一人前の人間とみなしていたようだ。こうして、あどけない寝顔を見ていると、やはりお前はまだ赤ちゃんだ。昨日も、お母さんにだっこされて、肩にもたれかかっていたではないか。お父さんの注文が多すぎたのだ。

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あなたが子供に小言をいいたくなったら、ぜひこれを読んでみてほしい。

私も気が付かないうちにずいぶん子供につらくあたっていた。
親だからといって子供に文句を言えばいいというもんではない。
言うことをきかせるためにどなったり叱ったりすればいいというもんではない。
わかってはいるものの冷静さを欠いた態度でいた。

本当にごめんなさい。良い父親になる。約束する。


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今日も元気に。
良い一日になりますように!

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posted by yumemaster at 16:29| Comment(0) | TrackBack(0) | ちょっといい話や書籍から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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